漁村ライフ

【最終回かも】西予市の財政危機は誰のせい?

赤坂です。めちゃくちゃ忙しいので、殴り書きで最終回になるかもしれない漁村ライフをつづります。

最近愛媛県のニュースをにぎわしている通り、赤坂水産のある西予市の財政は全国でも深刻度の高いケースに入っています。市の公式発表自体が「深刻な財政危機に直面」「このままでは市民サービスの継続も困難」と危機認識を明言し、3年間の集中改
革「財政危機脱却プラン2025」を宣言。背景として、人口減少・公共施設の老朽化・交付税減少・公債費増加に、平成30年豪雨やコロナ対応の突発支出が重なり、自治体の貯金である財政調整基金が底をついた——と自ら説明しています。

西予市公式ウェブサイト

数字はさらに厳しい。報道各社の集計では、財政調整基金は約89年で483,000万円から28,000万円へと94%減(約17分の1)に縮小。平時の財政運営や災害備えのクッションがほぼ失われた状態で、地方財政の最後の守りが危ういレベルです。自治体の基金がここまで急激に減る事例は、類似規模の自治体でも頻繁ではありません。EBC+2TBS NEWS DIG+2

そのうえで、市は「プールの段階的休止」「図書館・観光施設の週休2日化」「補助金・時間外手当の見直し」「市長・副市長・教育長および職員の給与削減」など、痛みを伴う歳出削減を並行実施。2029年度に基金10億円超の再確保を狙うという、明確な数値目標も示しました。これは単なる行革の域を超え、市内の生活動線や地域経済にも直接影響するフェーズに入ったことを意味します。

TBS NEWS DIG+1

 

ではこのような西予市の危機的状況は、誰のせいか?

 

 

私のせいに決まっています。

このような市政の状況を見据えておきながら、12年も西予市にいて、ろくな結果も出せていないんだから。

そして、なぜ西予市が財政危機に陥っているのかもとても簡単で、西予市に価値がないからです。正確には、西予市には価値がないと思われているからです。だって西予市に価値があると考える人が多ければ、もっと沢山の人が住むし、企業が投資もするでしょう。

だから私は、日本の海の価値を、漁村の価値を、西予市の価値を証明する必要があるんです。

これまでも必死でやってきたつもりですが、いまだこの経営理念の達成には至っておりません。ノルウェーのようにはなれておりません。

ただ、近年、これまでもがきながら撒いてきた種が、少しずつ、芽吹く可能性を感じております。

そして、皆さんが今の日本に不安を思っている理由もすごく簡単で、賢い皆さんが自分たちの生活が持続可能でないことにうすうす気づいているからです。地方も、今まで食べられてきたものも、今まで日本を支えてくれて来た産業も、なくなっていくことをみんなが理解しているからです。
だから私は持続可能性という希望にすがっているんです。

究極の持続可能性を謳う「白寿真鯛0」は、発表してすぐに多くの方に支持していただいた真鯛です。

白寿真鯛0がどういう魚か分かる便利な動画

 

利益率を追う道もあった。そうすると私や会社は、少しは楽になれたかもしれない。裕福になれたかもしれません。

しかし、私たちは売上を、生産量を追わないといけないのです。

なぜか?

生産量を追えば人手と設備投資が必要となります。

人手が必要であれば人の住居が必要となります。人の生活インフラや食事が必要になるんです。設備投資が必要であれば、地元の船会社さん、電気屋さん、建設業者さん、など沢山の業者さんが必要になるんです。地方創生や地方活性化を考える際には、規模が不可欠なんです。

そのために、持続可能性の高い魚、真鯛の生産を大規模化、効率化させていくことだけが、漁村の価値を証明する唯一の方法だと信じているんです。

そのためには、真鯛を沢山飼うには、もっともっと沢山の人に真鯛を愛してもらう必要がある。

だから、私は鯛めししか売らない鯛めしの専門店、「鯛めし紅坂」を東京で始めたんです。
鯛出汁も鯛味噌(さつま)も使う、白寿という特別なコースを作ったのも、鯛そのものの魅力を伝えるためです。


儲かる飲食店を築くことが目的ではありません。

真鯛を食べて下さる人を愛し、真鯛を愛される魚にするために。日本や地方を持続可能なものにするために、支え支えられる関係を、日本の方々と作っていきたいんです。

私の姿勢を見て、多くの方が「何を焦っているんだ」であったり、本当に私のことを真剣に考えてくれて、「時期尚早」と忠告してくれました。確かに赤坂水産やJABUROの経営だけを見ればそうかもしれません。しかし、地方が持たん時がきているのだ!

私がこの挑戦を最後の挑戦と言っているのも、西予市のカウントダウンが始まっているからです。でも豊かな漁村ってどんくらいあります?多分他人事ではないとこが多いのではないでしょうか?だから一緒に日本の海の価値を、漁村の価値を証明する方法を模索したかった。

ドラゴンボールに、ナムというキャラクターがいます。

貧しい村に住む村一番の格闘家で、優勝賞金でみんなの水を買うために天下一武道会に出場した悟空の強敵でした。

私はナムほどの腕もなければ清い人間でもありません。・

でも、今、まさにそういう面持ちで東京立川の店、鯛めし紅坂に、三瓶の和泉屋の大将と立っています。(因みに寿司和泉屋の玄関には閉店中ではなく挑戦中というプレートを付けています。)

飲食店経営は初めてで慣れないことばかりです。

開店までにも失敗や、本当にくじけそうになることがいくつもありました。

この物価高の中、飲食店を経営されている方は本当にすごい・・・

恐らく誰か経験のある方に任せた方が効率的にできたかもしれません。

それでも自分で飲食店を興し自分が店頭に立つ理由は、今までにないマーケットを作るという自負があるからです。真鯛の持続可能性や祝いの魚としての価値を理解してもらい、鯛を愛してもらうことが目的の鯛めし専門店の立ち上げ、運営なんて、誰も経験したことがないものでしょうから。

マーケットメイクは困難な道です。成功確率は低いでしょう。でもやりたいからやる。日本の海の価値を、漁村の価値を証明したいからやるんです。

そして、本当に生産したいと思っている魚があるなら、自分で売らなければいけないとも考えています。
プロダクトアウトでは、マーケットに価値を提供できません。
ただ、マーケットインの姿勢で、今売れるもの、求められているものを作っていれば、産地や環境が持ちません。
激変する自然環境、刑事環境の中で、今の環境でも持続的に生産が可能な、新たなものをマーケットに受け入れてもらう価値創造が必要となります。
それは、プロダクトインでも、マーケットインでもなく、マーケットとの対話により生まれると信じています。 
マーケットを多少知っていたつもりの私も、こっちに来て、ギャップに苦しみ、いくつもの方向転換を実施しました。
そうしてサービスを磨き上げることが出来ました。
産地にいて誰かに飲食店事業を任せていたら、ここまでのサービスには辿りつけなかったと思います。

とにかく、白寿真鯛0と深層熟成の2つの集大成を発揮し。1017日のOPENより駆け抜けます!

西予市のみんな、漁村のみんな、任せてください!

決めてやるぜ、天空×字拳!

失敗したら次の若い生産者の方々、頑張ってね!

 

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