漁村ライフ

シーフードショーとマーケット・イン養殖

赤坂です!
11月7日~10日に実施されたジャパンシーフードショーインターナショナルに、出展して参りました。
ブースにお越しいただいた沢山の方々、誠にありがとうございます。

シーフードショーに出展するメリット


新たな真鯛、「白寿真鯛0」は好評を博し、最終日の午前中には、多めに用意していた試食分が完食してしまいました。
最終日の午後以降に白寿真鯛0を目当てにお越しいただいた方には、大変ご迷惑をおかけししました。

白寿真鯛0はこんな魚です


今回の出展の目的は、白寿真鯛0のお披露目でございました。
しかし、展示会出展の最大のメリットは、どのような方々が、この魚に興味を持って下さるのか、どのような形態がマーケットに望まれているのか、肌身で感じることができる点だと考えています
近年では、新製品のプロモーションは、ウェブサイトやSNS等でも出来るようになりました。
しかし、食べてもらった方の表情や、商談をする際の声のトーンは、直接会わなければ分かりません。
商品出荷の前に、マーケットのプロフェッショナルの生の声を聞くことが出来る点が、展示会出展の最大のメリットです!
実際に今回のシーフードショーでも、「こういうところに需要があるんだ!→サスティナブルシーフードへの関心が高いんだ!」、「そういう形態での出荷、取引が必要なんだ!」
というような気づきが沢山ございました。

どのような業態の方に、どのような形態で魚を納めるべきか。
マーケット・イン型養殖業への転換が重要視される中、生産者が直接消費地に赴き、お客様の生の声を聞くことが重要だと考えています!


マーケット・インとは

マーケット・インは水産業を持続可能な産業にするために、水産業界で近年注目されている概念です。
最新の水産白書においても、「マーケットインの発想で水産業の成長産業化を目指す」という特集が組まれています。
それではマーケット・インとはどのような考え方のことでしょうか?
水産白書には、このように記されております。

マーケット・イン
消費者や顧客の要求、困りごとを突き止め、それらに応える商品やサービスを提供しようとする考え方
例)
漁業者が、消費者や顧客からの要望に基づいて、高品質化に取り組んで魚を生産する

プロダクト・アウト
より良い商品やサービスの開発・提供を、提供者側の視点に基づいて行おうとする考え方
例)
漁業者や水産加工業者が、良質な魚を消費者に食べてもらいたいという自身の思いから、質にこだわった商品を提供する

マーケット・インとプロダクト・アウト。この2つは、どちらが正しいというものではないようです。
養殖業や漁業は、一般的にはプロダクトアウトな業態が多いのですが、たびたび「魚を沢山作ったのに、全然売れない・・・どうしよう!?」問題に発展しています・・・
そのため、資源保護の観点から、マーケット・インへの転換が求められているようです。
魚の販売の90%以上が、消費地の企業様との直接取引という形態を、25年以上継続している赤坂水産には、実は、マーケット・インはとても馴染みやすい考え方です。

実際に、白寿真鯛や横綱ヒラメのコンセプトは、お客様からの要望やアドバイスから生まれたものです。
先日受けた外部機関による事業評価でも、これまでのマーケットインな取組が評価され、バグのような点数をいただいております。

おしらせ”水産庁の策定する「養殖事業性評価ガイドラン」に基づく外部評価結果の公表”



私は、このマーケット・インという考え方が、日本の養殖業にはマッチすると思っています!

私がマーケット・インを推す理由

私がマーケット・インが日本の養殖業に合っていると思う理由、それは
日本の魚食文化は世界一」と思っているからです。
かって主要国でぶっちぎりで1位だった、1人当たりの魚の消費量は、現在は3位辺りに後退しているようです。
しかし、これまでに築き上げてきた魚食の文化、魚の流通に関しては、依然としてかなり高いレベルにあると考えています。


私は、日本ほど、美味しい魚料理が安く食べられる国を知りません。
(また、日本人ほど魚にうるさい民族も知りません)
そして、そのことが、日本が好きで、今後も日本で暮らしていきたい。そのために、日本を何とか盛り上げたいという気持ちに繋がっています。

輸出されているハイクオリティな魚も、まず、日本のマーケットで高い評価を受けたものが輸出されているケースが多いようです。

日本の生産者は、1時間くらい飛行機に乗れば、魚食世界最強地区で戦う精鋭たちにの話が聞ける。
そこには、世界で評価される魚へのヒントがゴロゴロ転がっているかもしれません!
これが、私がマーケット・インを推す理由です。



また、津本式を学び、沢山の鯛の身に手で触れ、しめ方や熟成等、色々な試行錯誤をするうちに気づいたことがあります。
それは、「魚の味や特性は、自分が考えていた以上にコントロールできる」ということです。
魚食文化の最高峰に立つ消費地のご要望やアドバイスに応える柔軟性が、生産者に備わりつつあるように感じています。


マーケット・インを発展させるには

水産庁の発行する「養殖業成長産業化の推進」という資料に、マーケット・インをより効果的に発揮する方法が記されています。
それは「会社や所属している団体の垣根を超えた、連結・連携による、組織改編」です!
連結の方法は、生産者同士や生産者と飼料、種苗メーカー、生産者と流通業者など、様々です


養殖業成長産業化の推進

www.jfa.maff.go.jp
https://www.jfa.maff.go.jp/j/saibai/attach/pdf/yousyoku_kaimen-2.pdf
https://www.jfa.maff.go.jp/j/saibai/attach/pdf/yousyoku_kaimen-2.pdf



こんな堅苦しいコラムを書いた理由も、
「本当に価値のある魚をお客様に提供したい!」と考えている人々と、会社や所属している団体という垣根を超えて繋がりたいからです!

これまで生産者は、狭い地域ごとに、同魚種を扱う生産者同士でまとまるのみでした。
しかし、マーケットに提供する価値を考えると、離れた地域や異なる魚種での協力関係こそ必要と感じております。
また、流通業者の方と連携することで、よりマーケットニーズに即した魚を計画的に生産できるようになるでしょう。

今回のシーフードショーでも、流通業者様、マーケットインな生産者様との出会いが沢山ありました!
機会がありましたら、一歩踏み込んだ関係構築や組織改編のため、ご意見をお聞かせいただけましたら幸いです。
引きこもりがちな私ですが、年明けにコロナが落ち着いていたら、色んな産地や消費地を巡ろうと思います。
その際は、どうぞよろしくお願いします!





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